生活用品を解説する書籍や記事では、商品写真だけでは説明できない内容があります。シャンプーが汚れを落とす仕組みや、化粧品が触れる皮膚の構造などです。目に見えない働きや内部を図にすれば、商品の外観とは別に、本文で説明している内容を見せられます。
図版イラスト制作所では、技術評論社「生活用品の化学が一番わかる (しくみ図解)」の本文イラストを制作しました。身近な製品の仕組みを、化学の視点で説明する一般書です。
洗う、すすぐ、整えるという違いを並べて示す
下の制作例は、シャンプー、すすぎ、コンディショナーを説明する図です。髪を同じ向きに描き、周囲の物質や状態を変えて3つの場面を並べています。商品容器の絵ではなく、本文で説明する働きを示した図です。
説明文だけで「どの物質がどこにあるか」を追うのは難しい場合があります。図では、髪の表面とその周囲を一緒に見せられます。異なる状態を並べれば、本文のどの説明がどの場面に当たるかも確認できます。
この図は、日用品の使い方の手順書とは異なります。使っている最中に目で見えない働きを、模式的に描いたものです。科学の一般書や技術解説の記事では、こうした図版を使えます。
皮膚の表面だけでなく、層や組織を見せる
皮膚に関する説明では、表面の写真だけでは、内部の層や組織を見せられません。下の例は、皮膚を切り取ったように表し、表皮、真皮、皮下組織などの位置を示した制作例です。
上の図では、角層の一部を丸く拡大し、細胞や細胞間脂質を描いています。全体図の中で細かい部分を大きく描こうとすると、周囲との大きさの関係が変わってしまいます。全体と拡大図を分けることで、位置と細部をそれぞれ説明できます。
皮膚全体の構造を見せる図と、特定の層を説明する図では、必要な情報が違います。書籍の一節や記事の内容に合わせ、扱う範囲を変えて制作できます。
一般書の読者へ、本文と図を組み合わせて説明する
専門家向けの資料を、そのまま一般書の図として掲載できるとは限りません。専門用語が多い図や、細部が入りすぎた図では、本文で説明したい部分を見つけにくくなることがあります。
解説図では、本文に出てくる名称を図にも入れ、読者が両方を照合できるようにします。形や配置を整理する場合も、内容の正しさは依頼者側の資料と監修に基づいて確認します。
同書では、皮膚の構造のほか、落ちないリップスティックの仕組みや歯の構造なども制作しました。紙面の仕様に合わせ、図版はCKの2色で制作しています。生活用品や科学を扱う書籍・解説記事の図版制作に対応しています。