雲を説明する図鑑では、種類ごとの名前と写真を並べる方法のほかに、空の中に雲を配置したイラストも使われます。対象を1つずつ紹介する図と、空を見渡す図では、読者が受け取る情報が違います。個別の図なら輪郭の特徴を比べられます。まとまった空の図なら、見上げたときの広がりや、複数の形があることを見せられます。気象の図版制作では、ページがどちらを説明するのかに合わせて描き方を選びます。

写真から何を整理するか
雲の写真には、周囲の雲や光の当たり方、空の明るさなども写ります。イラストでは、そのページで紹介したい形を見せるために、重なりや背景を整理できます。ただし、都合のよい形を自由に作れば、雲の解説図として正確になるわけではありません。種類ごとの特徴を資料や監修内容で確かめ、説明に必要な輪郭や広がりを描きます。天気の変化まで扱う場合には、形の紹介とは別の情報も必要になります。
空全体を描いた制作例
掲載画像は、ポプラ社の図鑑に関わる制作例です。青い空の中に、薄く広がる雲やまとまった雲など、異なる姿を描いています。この画像には名称のラベルが入っていないため、図だけで各種類を特定して説明するものではありません。誌面では、本文や名称と対応させて使うことができます。空の広がりを感じられるイラストと、名前を確かめるための図を組み合わせると、図鑑の見開きとして役割を分けられます。
高度を説明するなら、別の読み取り方が必要
雲の高さを説明するページでは、地面との関係や高さの区分を示す必要があります。空のイラストだけを見て、図中の上下を正確な高度だと判断させることはできません。高さを示す目盛りや区分、断面のような構成を使う方法があります。形の紹介と高度の説明を同じ図で行う場合も、どこまでが模式的な配置なのかを明らかにします。本文の説明に応じて、自然な空の絵と整理された解説図を使い分けます。
気象のページを、絵と図で構成する
図鑑には、読者がページを開きたくなる絵と、内容を確かめられる図の両方が必要です。雲のイラストは空の様子を見せ、雨や風の仕組みを説明する図は、見えない動きや関係を示します。1枚に全部を入れるより、役割を分けた方が読みやすい場合があります。地球や気象を扱う教材、図鑑、展示では、資料に基づく自然のイラストと、仕組みを説明する図版を制作しています。
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