比較図で違いを伝える。説明図を並べるときにそろえたい条件

2つ以上の対象を比べる記事では、文章を読みながら違いを頭の中で整理する必要があります。比較図は、対応する対象を同じページに並べ、その違いを確かめられるようにした図です。製品の方式、材料の特徴、作業前後の状態などを扱うときに使えます。ただ並べるだけでは、違いがわかる図になるとは限りません。何を比べるのかを決め、その項目に関係しない見た目の差を減らすことで、本文の説明が追いやすくなります。

赤リン、黄リン、黒鉛、ダイヤモンドのイラスト
制作例: 赤リン、黄リン、黒鉛、ダイヤモンドのイラスト

向きや範囲が違うと、比較しにくくなる

一方は正面、もう一方は斜めから描かれていると、形の違いなのか視点の違いなのか判断しにくくなります。内部構造を比べる場合も、切断する場所が違えば、見える部品が変わります。比較したい部分が同じように現れる向きと範囲を選びます。大きさをそろえると形は比べやすくなりますが、実際の寸法差を説明したい場合には不向きです。そのページで比較する項目に合わせて、寸法をそろえるか、比率を保つかを選びます。

物質の見た目を並べた制作例

化学教材の制作例では、赤リン、黄リン、黒鉛、ダイヤモンドをそれぞれ描いています。名前だけでは想像しにくい外観を、本文と合わせて確認できる図です。この画像だけで性質の違いまで説明できるわけではありません。外観を絵が受け持ち、性質や構造は本文や別の図が受け持つ構成にできます。比較図で扱える情報を区別しておくと、見た目から読み取れない特徴まで絵が示しているように受け取られることを避けられます。

共通部分をそろえ、違いに名前をつける

製品の構造を比べる図なら、共通する部品の色や名称をそろえます。違う部分には、名称や短い説明を添えます。同じ色が別の意味で使われていると、読者は色の差まで解釈しなければなりません。比較の項目が多いときは、絵にすべてを書き込むより、対応する表を添える方法もあります。図は位置や形を示し、表は仕様や数値を示すという分担です。比較したい内容によって、絵だけにするか、表と組み合わせるかが変わります。

比較記事で「こちらが優れている」と書くだけでは、読者が判断できる材料は増えません。どの条件で、どこに差があるのかを図と本文で示すことが必要です。前後の状態を比べる図でも、変化したところ以外はそろえる方が読み取りやすくなります。教材の対比、技術記事の方式比較、製品資料の構造比較など、文章で示した違いを読者が確かめられる図版を制作しています。

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