概念図は、物の外観よりも、考え方や情報の関係を示すための図です。組織の役割、サービスの構成、技術の分類など、写真に撮ることができない内容にも使えます。文章で説明すると何度も前の段落に戻る必要がある関係を、1つのまとまりとして見渡せるようにします。ただし、枠と線を増やすだけでは整理になりません。線が何を意味するのか、どの範囲を1つの項目として扱うのかによって、図が伝える内容は変わります。
分類と流れでは、線の意味が違う
大きな分類から小さな分類へ枝分かれする図と、情報が順番に渡る図では、同じ線でも役割が異なります。前者は包含や分類を示し、後者は受け渡しや順序を示します。両方を1つの図に入れるときは、線の種類や短い注記で区別する必要があります。矢印を使えば意味が明確になるとは限りません。指示を送る方向なのか、移動する方向なのか、影響を及ぼす方向なのかを本文と合わせて確認できる図にします。
実物の図と組み合わせることもできる
掲載した鉄道の技術記事用の図では、列車と地上の装置を描き、その間の情報のやり取りを示しています。列車の外観を紹介するだけの絵ではなく、複数の装置の関係を扱う図です。実物を簡単な形で添えると、その項目が何を指すのかを想像しやすくなります。一方、会社の部署や抽象的な概念は、絵に置き換えない方が明確な場合もあります。対象の種類に合わせて、名称だけの枠とイラストを使い分けます。
項目を減らすだけでは、関係は整理できない
概念図を簡単にしようとして項目を省くと、本文の説明に必要なつながりまで失うことがあります。最初に扱う範囲を決め、図の外にあるものをどこまで示すかを考えます。すべてを同じ大きさの枠に入れると、重要度や階層の差が見えにくくなることもあります。配置には読み順が生まれるため、単に空いている場所へ項目を置くのではなく、本文が説明するまとまりに合わせて配置します。
概念図は、説明の見取り図になる
長い技術記事やサービス説明では、細かな説明に入る前に概念図を載せると、読者が全体の中での位置を確かめられます。本文で用いる名称と図の名称をそろえておけば、後の段落から戻って確認することもできます。図だけで説明を完結させる必要はありません。本文の論点を見渡せる形にすることが役割です。企業の説明資料や技術記事に使う関係図では、元の説明を読み、図で示す範囲を整理して制作します。
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