健康を扱う一般書では、臓器の名前を読んでも、体のどこにあるのかを思い浮かべられない読者がいます。体内の図は、本文の説明がどの部分を指しているのかを示すために使えます。医学の専門書と同じ細かさで描くことが、一般向けの本に適しているとは限りません。一方、親しみやすくするために形を変えすぎると、説明に必要な構造が失われます。対象の読者と本文の内容に合わせて、図が受け持つ範囲を決めます。

名称を覚える図と、位置を確かめる図
体内の図には、臓器の名称を一覧で示すもの、周辺との位置関係を示すもの、内部の構造を示すものがあります。目的が違うため、必要な範囲も変わります。臓器の位置を示す図なら体の輪郭や周辺の臓器が手がかりになります。特定の部分の構造を説明するなら、全身を小さく載せるより、必要な範囲を大きく見せる方が読みやすい場合があります。ページの説明に合う図を選ぶことで、読者が名称だけを追う状態を減らせます。
一般書の白黒図版の制作例
掲載画像は、インプレスの医学系一般書に制作した図版です。腸の形と内部の境界を描き、名称を添えています。色に頼らず線で区別するため、重なりや切り開いた部分の形が読めるように整えています。この制作では、依頼元からの資料や監修内容をもとに図を作っています。図を制作することと、健康についての見解や治療内容を作ることは別です。本文の内容を図として表す仕事を受け持ちます。
読みやすくする際にも、構造は変えない
図が小さく載る場合には、細い線や小さな名称が読めなくなることがあります。線の太さ、名称の位置、図の範囲を調整する必要があります。ただし、重なりを減らすために臓器の接続を変えるなど、内容に関わる変更はできません。省略した部分や断面の位置がわかるようにし、必要な構造を保ちます。見やすくするための表現と、医学的な内容を区別して確認することで、読みやすさと説明の正確さを両立させます。
本文を読みながら戻れる図にする
本文で使う名前と図の名称が違うと、一般の読者は同じ部分だと判断しにくくなります。図に番号を付け、本文から参照する構成もあります。説明が複数のページに続く場合は、同じ部分を同じ呼び名と向きで示すと、図を見直しやすくなります。一般書、冊子、ウェブ記事などの体内図では、本文と監修資料に基づき、読者が説明の場所を確認できる図版を制作しています。
この記事で紹介した画像は、関連する制作事例のページに掲載しています。ほかの画像や制作内容も確認できます。図版・イラストの制作については、お問い合わせページからご相談ください。





